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諏訪大社上社前宮

諏訪上社には本宮と前宮があります。

諏訪上社には本宮と前宮があります。前宮は本宮から少し離れており若干マイナーな社ですが、その昔は本宮が本社、前宮が摂社という関係でした。前宮の祭神は健御名方命と八坂刀売命と言われています。

前宮の本殿は昭和7年に伊勢神宮の余材をもって建てられたものです。
http://suwataisha.or.jp/maemiya.html

なおこの昭和7年に本殿が建てられる前まで前宮のこの場所には「精進屋」という建物が立っていました。

昭和7年以前に前宮本殿の場所に立っていた「精進屋」※wikipedia パブリックドメインより

精進屋では諏訪神社の現人神である大祝が物忌令に基づいて30日間潔斎し、身を清めたと言われています。この儀式については神長たる守矢氏が教え込んだのでしょう。大祝は童子がなるものですので、この狭い建屋に30日間も閉じ込められるというのはなかなか大変な儀式だったのだと思います。大祝がこの諏訪特有の「ミシャグジ」をその体に下ろすというシャーマン的な儀式を取り仕切っていたのが守矢一族です。伊勢神宮の木材の拝領と同時に取り壊されたこの精進屋は、現在の茅野市糸萱(いとがや)にある折橋子之社というところに移築されています。 ※「古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究」P25〜36

前宮はもともと守矢(洩矢)氏の本拠地だったといいますが、その後大祝に明け渡したとされていますが、儀式の実態などをみると、守矢氏が引き続き実権を握り続けていたのではないでしょうか。

十間廊

途中前宮公園を通って登っていくと、前宮本殿が現れます。四隅には御柱が鎮座。

以前は荒れ放題だったといいますので、だいぶ整備がされたようです。縄文の時代から続く諏訪地域の社だからか、自然と一体となった神社という印象です。

2021年11月12日訪問

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